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【呪術廻戦】infinity

第44章 修復 可・不可


*****


「亡くなった人達は置いといて…。今1番危ういのは」



硝子は隣にあるベットの上の膨らみを撫でた。



「今すぐ大きな病院に連れていくことを勧める」

「そんなに、か」

「…いくら千夏でも、2度と動けなくなるかもしれない」



自分の手には彼女のイメージに合うと思ってプレゼントした髪飾り。



「しょ…こ」

「ん?」

「…ごめ…ね」

「…アンタは悪くない。まずは自分の体を心配しな」



硝子はここから離れられないと言って、先程から他の者に軽傷の手当てを任せていた。

いつもなら彼女のわがままを叱るところだけれど、今は見ないふりをする。



1ヶ月ほど前に千夏が昏睡状態になった時もそうだが、怪我をほとんどしていない自分が痛い気持ちになる。

15.、6の千夏が以上に健康であったこともあるのだろうけれど、最近の千夏は怪我をしすぎているからかもしれない。




千夏を見つけたとき。4人の倒れた人間の中心に千夏が座り込んでいた。

その手は血にまみれていて、顔を上げた彼女の瞳は充血し、焦点の定まらない浮ついたものであった。



「動かないで」

「ん…大丈夫」



少し動くだけで激痛が走るというのに。

千夏は誰の手も借りず、体を起こす。



「私、大丈夫だから…」



まるで自分に言い聞かせるように、そう繰り返した。



「千夏。医師として…」

「大丈夫。我慢、できるから」

「そういう問題じゃなくて…!」



腕を一切動かすことなく、ぎこちない足を床につける。

俺はその様子を瞬き一つせず見ていた。



「硝子…」

「立てないでしょ。無理すんな」

「ぎゅってして」

「…何。私が?」

「うん」



2人の仲が良いのは知っていたが、2人の性格は真反対と言っても過言ではなく、同学年の同性がお互いのみだったことが2人を近づけたのだろう。

それは彼女たち自身も認めていて、普通の学校で出会っていたら、まず関わらなかっただろう、と…。

そしてそれと同時に、だからこそこの関係を大切にしたいと、彼女たちは見つめあいながら言ったのであった。




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