第44章 修復 可・不可
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これは五条悟を拒み、その他を受け入れる帳。
この情報だけでも、ある程度のことは分かる。
おじいちゃんと歌姫でもね。
「余程腕が立つ呪詛師がいる。しかもこちらの情報をある程度把握してるね」
例の奴らか?
それならば、かなりマズイ。
「ほら行った行った。何が目的か知らないけど、一人でも死んだら僕らの負けだ」
「…分かったわよ。学長、行きましょう」
「うむ」
僕が中に入れないとなれば、まずはこの帳をどうにかするしかない。
となれば…。
歌姫も気づいたようだ。
「僕が連絡を取る」
「任せたわよ」
あの予測不可能な行動をする人間。
彼女の協力が吉と出るか、凶と出るか…。
それは誰にも分からない。
帳内にいた場合、連絡が取れるかどうかは分からないけれど、とりあえず試す価値はある。
そう思っていたら、先に僕の携帯が震えた。
「はいはい?」
『帳内に入れない。外側で今んとこ怪しい奴らは見てない。中との連絡は可能だった。以上、そっちは?』
千夏は早くも状況を察知し、必要な情報を簡潔に伝えてくれた。
流石としか言いようがない。
「僕も中に入れない。僕を拒む帷だと思ってたけど違うみたいだね。歌姫とおじいちゃんが先に中に入った。僕も怪しい奴らは見てない。ひとまず合流しよう」
『うん』
すぐに電話が切られたのは、もう電話越しに語ることがないからだ。
僕にとって千夏を探すのは朝飯前であることを分かっているから、彼女はきっとその場で待機しているだろう。
それよりも問題なのは、千夏が帷の中に入れないことだ。
特定の一人だけを除く帷なら存在してもおかしくは無いが、特定の二人を除く帷なんて、想像を絶する完成度の高さだ。
そんなことが出来る人間、もしくは呪霊がいるというのか?