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【呪術廻戦】infinity

第43章 優先順位



「ち、違うよ!今のは心臓を…」

「同じことだよ」

「〜〜!五条君のえっちぃぃぃぃ…!」



本当に意識してなかったのか。

今更顔を赤くして…。

しかし、何故か俺と千夏の物理的距離はさらに縮まった。

千夏が俺の背に手を回して抱きついてきたから。

顔を隠してるつもりだと思うけど、目先の目的に集中するあまり、巨視的な視線が皆無だ。



「ねぇ、千夏。こういうこと誰にでもやってるの?」



布団を少し捲って、千夏にこっちを見させる。



「こういう、こと?」

「…胸触らせたり、こーやってくっついたり」

「し、しないよ。そもそも友達いないし…」



なんか。

違う。



「友達いたらするの?」

「…しないっ……顔、近い」



千夏が布団の深層部へ潜り込もうとするから、俺は体をくるりと回転させて千夏を下に組み敷いた。



「じゃあ、俺の事誘ってたの?」

「さ、そう?」



そもそも迷わず同じベットで寝ることを選ぶ時点で頭がおかしい。

きっと千夏は馬鹿だから、俺以外の人間が相手でもこの選択をしていたはずだ。



「…ねぇ、とぼけてる?」

「と、とぼけて、るのかな」



まさか、本当の本当に知らないのだろうか。

今の世の中、ネットだってあるし。

漫画だって小説だってある。

それに、学校で習うだろ。



「じゃあさ、どーやって子供ができるか知ってる?」

「子供?赤ちゃんってこと?」

「そう」

「…んーと。なんか小学校の理科の時間にやった気がする。えっとね…ん〜…じゃ…ん?じゅ…?…あっ、あ!あれだよ、受精!!」



とてもスッキリとした様子で、自信満々な顔。



「そうだね。受精はどうやってするの?」

「え?どうやって?……体が勝手にやってくれるんじゃないの?」

「まぁ、そうだけど。千夏は妊娠してないでしょ?」

「うん、してない」

「じゃあ、もし千夏が赤ちゃんを産むってなったら、どうやって受精するの?赤ちゃん欲しいって言ったら、体が勝手に受精するの?」



千夏の顔が一気に赤くなって、顔を下に向けようと頑張りだした。

手を離してあげると、すぐさま顔を隠して。

ようやく通じたか、と思ったけれど。





俺の言いたいことは全く通じてなかった。




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