第43章 優先順位
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「あれは何してるの?」
『思考の整理。色々あったからパニックになってるんだろ』
適当に探した法的に曖昧なホテルに身を置き、逃亡者である千夏とその手伝いをした僕は次の行動に移るための準備を始めなければならない。
『放っておけ』
じゃがいもみたいな頭をした千春は、この言葉を最後に姿を消した。
千夏はというと、先程からああして床でゴロゴロと寝返りを打ち続けている。
ベットの上に移動すればいいのに。
「千夏ー」
「…」
「先に風呂入っちゃうよ」
「…」
千春には放っておけと言われたが、声が届かないようでは放っておく以前に構えない。
俺はシャワーで簡単に済ませたが、千夏は湯船を欲しがるだろうか。
しかし、俺には湯船を溜める方法が分からない。
それらしき機械が横にあるけれど、イマイチピンと来なかった。
だから、湯船は諦めることにした。
「千夏も入りなよ」
「…ん」
制服についたシワなど全く気にせず、千夏は重い体を起こして脱衣場へ向かった。
千夏が戻ってくるまで、今後の計画を整理しよう。
「ふぅ!さっぱりした〜!」
戻ってきた千夏は何か吹っ切れたように快活であった。
そんな千夏に今後の計画を話すと、その顔はみるみる固まっていき、終いには口をポカーンと開けて動かなくなってしまった。
千春が千夏の頬を叩くと、千夏は怒ったように千春を睨んだが、すぐに眉を寄せて俺に抗議してきた。
「やだ。もっと他の方法がいい。危ないよ」
「んー。他の方法なんてないよ」
「それに、心の準備もまだだし…」
決行日…明日。
決行時刻…夕方4時。
決行人員…俺、千夏、千春。
目的…俺達の力を見せつけ、千夏を下手に扱えないほどのヤバい奴認定させる。
その方法…戦闘(殺しはなし)
「私、そんなこと出来ない」
「大丈夫。千春がやってくれる」
『…千夏が同意すればな』
「同意しないもん!」
何を言っても千夏は嫌よ嫌よの一点張り。
話は全く進展しない。