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【呪術廻戦】infinity

第43章 優先順位



歌姫をあしらう裏で、こんなことを考えていた。

僕は千夏がいない時、どうやって過ごしていたんだっけ。

あれは、そう。

千夏がいなくなって、10年の月日が流れた。

その間はもちろん1人だったけど、正直いって記憶が無い。

凄く長い時間だったけれど、あっという間だった。

本当に僕は相応の歳をとったのだろうか、とたまに分からなくなるくらい。



それじゃあ、それより前は?

僕が千夏にお別れを言って別れた、最初の別れの時はどうだったんだっけ。

千夏が友達に危害を加えて捕まってから、僕達は基本的にずっと一緒にいたけれど、その前の空白の時間は?




ああ、そっか。

あの時は一生会わないつもりだったから、辛くも悲しくもなかったんだ。

ただ、本当につまらなかっただけ。




一生のお願いを2つもするなんて、欲張りすぎたかなぁー。

でも、1つだけだったら千夏は別れてくれなかっただろうし、僕もゴールのない別れを選ぶつもりはなかった。



『私、待つの得意なんだから』



あんな風に笑わせてしまうなんて、僕は本当に最低だ。

千夏が離れていった時、僕はなんて言ったんだっけ。

頭がカッとなっていたから、ほとんど覚えていない。

でも、千夏のように相手の話を黙って聞けなかったことは確かだ。

千夏のやつ、誰よりも情緒の振れ幅が大きいのに、ああいう時はきちんとセーブできるんだよなぁ。

そこが彼女を尊敬している所でもあるのだけれど…。



そういう所が千夏の本性なのだが、別に昔からずっとあんな感じだった訳じゃない。



『ちょ…五条くん…危ないって、やめようよ』



危険をとにかく回避するために行動していたときもある。

腰を引きながら僕の服を引っ張って歩く姿。

あれはなんとも滑稽だった。



そんなことを考えていたら、どうやら頬が緩んでいたらしく。



歌姫にゴミを見るような目を向けられた。



これに関しては、その目を受け入れてもいいかなと…。

優しい僕であった。


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