第43章 優先順位
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「話って?」
「?なんでキレてんの?」
「別にキレてないけど」
「だよね、僕何もしてないし」
すると、歌姫の携帯が鳴って。
どうぞ、と手で譲るとよく分からない目でこっちを見てきて。
あー、千夏なのかなーなんて思ってみる。
「…ふぅ。千夏が嫌な感じがするって」
「…へぇ」
「…あんた達の話は後にして。早く話してよ」
嫌な感じ、か。
千夏の勘はバッチリ当たるときと、バッチリ外れるときがある。
果たして今回はどちらなのか。
「高専に呪詛師…或いは呪霊と通じてる奴がいる」
「有り得ない!!呪詛師ならまだしも呪霊!?」
予想通りの反応。
でも、これはほぼ確証している事実だ。
「そういうレベルのが最近ゴロゴロ出てきてんだよね」
火山頭に始まり、先日の件…。
あれに千夏が関わると思うだけで…。
寒気と吐き気が同時に押し寄せてくる。
「京都側の調査を歌姫に頼みたい」
理由は2つ。
歌姫は京都側の教師。
そして、信頼に値する人物だから。
信頼に重きを置くのであれば、千夏に任せたいところだけれど。
いくらコミュ力が高いとは言っても、あんな甘ちゃんには任せられないし、多分…最悪な状況になる気がする。
「…。私が内通者だったらどうすんの?」
「ないない。歌姫弱いし、そんな度胸も無いでしょ」
湯呑みを投げてくる歌姫。
おー、怖い怖い。
「ヒスはモテないよ?」
「私の!!方が!!先輩なんだよ!!」
久しぶりにまともに話すけれど、相変わらずの短気で。
いつもコレをからかって遊んでいた過去が懐かしい。
まぁ、からかうという点では今も変わっていないけれど。