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【呪術廻戦】infinity

第43章 優先順位



(さて。アイツを探しますか)



私の血液で調教した呪霊を探すべく、持っていたナイフで人差し指の先を切る。



「いっ…たいなぁ…」



何度やっても痛いものは痛い。

もっと血液ストックしておけばよかった。



事前に用意していた札に血液をつける。

そして、それはもう一度ポケットに仕舞って。



(…きゅーけーたーいむ)



けもの道を歩いて、適当に散歩。

夏の暑さも落ち着き、今日は絶好の散歩日和だった。



(…ほーんとに、生きてたなぁ)



直ぐに逃げてきちゃったから、悠仁と話せていないけれど。

…話すことを考えるだけで泣けてくる。

こんなの、実際に話したらどうなってしまうのだろうか。



(…それに、傑にも会いたい)



あれ以来会っていないし、傑が無事かどうかも確認したい。

傑に怪我でもあったら…。

心配で仕方ないけれど、連絡手段がない。

前に訪れた傑の部屋も既に立ち退いたようで、もぬけの殻だった。



(硝子と歌姫とも話したいし…)



「ん〜…」



子供のように涙を拭いて、ふっと息を吐いた。

色々ありすぎて、心も、行動も、追いつかない。

これが普通なのか?

普通だとしても、もっと要領よくならないものか。



一日目の団体戦のフィールドの端。

カラーコーンの上に軽く体重をかけた。



(…ん?なんか変)



やけに静かなこの場所。

静かすぎないか?

一年以上森で野宿をしていた身からすれば、違和感を感じてしまう。



「あ、もしもし」

『極力連絡はするなと言ったはず』

「違う。何か嫌な感じなんだけど」

『勘?』

「そう。一応報告」



同じようなことを歌姫にも伝えて…。



(何なんだろ)



気のせいで終わればいい。

冥冥さんと楽巌寺学長のビジネスに影響がなければいい…。

最低限、誰も怪我をしなければいい…。



(…考えすぎか)



生と死について触れ、考える時間が長すぎたからか。

極端な思考が癖になっている。


これはただの交流会。

大きな怪我をするようなら、教師側が止めに入る。



だから、大丈夫。

私は私の仕事をしよう。



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