第41章 蝶蝶喃喃
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「疲れたー」
「あの距離は歩くもんじゃないからな」
私が落ち着くまで公園で休憩し、その後私の家でお茶会をすることとなった。
「片付いてんじゃん」
「でしょ?」
「伏黒、知ってた?コイツ、私の友達の家に泊まった時…」
「あーあー、それは忘れてってば!」
コーヒー牛乳とファ〇タとオレンジジュース。
誰も紅茶を選ばないところが、”らしさ”である。
「てかさ、聞いてよ。この前、京都の先輩たちが来てさ、ボコされたんよ」
「先輩…っていうと?」
「真希先輩の…」
「ああ、あの子ね」
野薔薇がいう人は真衣のことだろう。
会ったことも、話したこともないけれど、歌姫の話に時折出てくる。
真衣に限らず、京都の子達は中々に個性的で、厄介だと聞いている。
東京の方も同じように言えるが、東京校の3年以上の生徒には一度会ったきり。
しかも3年にはその時軽く喧嘩を吹っ掛けられて、それからというもの避けられている。
「伏黒なんかぼろっぼろだったよね」
「恵は血ぃ流してなんぼっしょ」
「酷いです」
交流会も目前に控えているが、いつの時代も両校仲が悪いというのは、何故なのだろうか。
「私達の時も会ったら即喧嘩だったな―」
「「やってそう」」
「失礼な」
「だって、彼氏と喧嘩して重傷負わせた女だよ?」
「重症じゃないし」
「あれ、五条先生以外だったら100%病院行きです」
最近全く遠慮をしてこない2人。
距離が縮まったということもできるけれど、舐められていると思ってしまうのも無理はない。
「…そういや、明日顔合わせるんですよね」
「うちらも気遣うの面倒だから、変な空気にしないでよね」
「そこは大人の対応をしますよーだ」
明日は交流会の打ち合わせ兼作戦会議が行われる。
私は教員ではないけれど、打ち合わせには顔を出さないといけない。
今となっては交流会の存在が恨めしい。