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【呪術廻戦】infinity

第40章 宵闇


***

「じゃあ、後は七海と仲良くね〜」

「分かった!」



元気でよろしい。

悠仁だけでなく、そろそろ恵と野薔薇にも色々課さないと…。



「あ、やべっ。携帯忘れてきちった」



取ってくるねー、と。

悠仁は大きく手を振りながら、人間離れしたスピードで部屋へ戻って行った。



「おーい、君の単独行動は認めてないよ〜」



そんな注意も既に遅し。

まぁいっか、とお得意の適当さで誤魔化す。



「…まさか、本当に生きてるとは」

「僕のこと疑ってたの?」



七海は表情を変えない。

コイツ、笑ったことあるのか?

…笑ったところを想像してみたけど、なんかキモい。



「それで」



七海が目を尖らせた。



「八乙女さんは?」



今1番聞きたくない名前だよ〜。



「さぁ…」



心の中でおちゃらけても意味が無いのに。

何をやっているんだろう、僕は。



「目覚めたら僕に連絡来るようになってるから、連絡来たら七海にも伝えるよ」

「それでは、その時に詳細を」



詳細を、と言われても。

僕も何も知らないのだけれど。



「知ってた?千夏って本当は頭いいんだよ」

「…いや。それはないでしょう」

「いやいや、マジで。そんでもって、隠し事も上手いし」

「誰の話をされてます?」

「千夏の話だって」



千夏は本当に賢い人間。

自分で言っていても、否定する自分が出てくる。

でも、これは事実。

カマをかければ直ぐに引っかかるし、隠し事をするとお手本のように目が泳いで、小学生レベルの知識すらも頭に入っていない人だけれど。

彼女は本当に賢い。

人間として必要な能力だけは、その時に必要な力を得て不要なものを捨てる能力だけは。

いつも鋭く、馬鹿面で笑う彼女の目の奥で光っている。



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