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【呪術廻戦】infinity

第39章 咲かぬ桜


*****


「五条せんせー。なんかイライラしてんね」



イライラ。

これがそんな程度のものなら安心だ。



簡単なカマかけに見事に引っかかって、嘘がバレた千夏。

お互いがお互いを100%知っている必要は無いし、そんなこと重すぎて投げ捨てたくなりそう。

だから、千夏を責めることはしない。

現に、僕自身も悠仁のことを隠してるし。


でも、嘘をつかれたことを少し気にしている。

悠仁に指摘されるくらいだ。


イライラというより、心配。

悠仁の件があってから日は経ってないし。

自分を責めてないか心配。

冥さんを問い詰めるのもいいけど、千夏に重いと思われたくない。




んなことを考えていたら、胸ポケットに入れていた携帯が震えた。




「悠仁〜、お口チャーック」

「ん!」




恵からだ。

僕が適当に振り分けた任務に対する不満だろうか。




「お疲…」

『五条先生。聞きましたか』




声の調子から、これは真剣な連絡。

スピーカーにして携帯を確認する。

他の人から特に連絡はない。

何の話か、と聞くと。




『地図送るんで、そこに今すぐ来てください』




と言って、電話を切られた。

いつもの仕返しだろうか。




「伏黒、元気そうだなっ!」

「元気過ぎて困るよ」




地図を見れば、そこは特に当たり障りのない普通の山中。

こんなところに何が、と思いつつ。

恵の声を思い出して、すぐに足を動かした。



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