• テキストサイズ

【呪術廻戦】infinity

第38章 心臓



「んで?嬉しいことって何?」



野薔薇は半分睨みながらそういった。

まぁ、野薔薇からしたら、同級生が死んで喜んでいるように見えてしまったのかもしれない。

まずそれを否定すると、んな事分かってるわ!とキレられた。



「絶対に悟に言わないって約束できる?」

「できる」

「悟に限らず、誰にも言ったらダメだよ」

「何をそんなに…。もしかして、まじでヤバイ系?」



疑い深い野薔薇に、導入として昔の話をした。

もちろん、野薔薇は傑のことを知らないので、そこから丁寧に…。

私の育ての親の兄が、傑に殺されたことも話した。

そして、去年の冬。

傑が百鬼夜行を行い、天へ召されたことも、事細かに話した。



「ほんと。アンタ…。隠し事多すぎ」



興味無さそうにしながらも、視線はとても鋭かった。



「…」

「…まぁ、大変だったんだなって思うよ」



言葉が詰まる。

誰かに話したら、この夢のような現実が消えてしまうのではないか。

けれど、私は誰かに言いたくてたまらない。

言いたくて仕方ないのだ。



「…は?」



野薔薇は口をあんぐりとさせて、ちょちょちょ…と私の肩を数回叩いた。



「大丈夫?本気で言ってんの?」



当然。

こうなることはわかっていた。



「…はっ、ないない。色々あったし…疲れてるんじゃない?五条先生呼んでやーろか?」



違う。

本当の本当に傑は生きているんだよ。

体は温かかったし、記憶と変わらない声だった。

それに、見慣れない傷もあった。

あれは間違いなく本人。

私の五感全てがそう言っているのだ。



「…ごめん。変なこと言って。勘違いだったのかも」



私は無理に笑って目を細めた。



「ねぇ。硝子さんのとこ行く?」

「大丈夫。少し疲れてるのかも」



また笑ってみせた。



「寝よっか」

「…変なこと考えないでよ」

「ははっ。変なことって何ぃ?」



そう言って、私は部屋の電気を消した。

布団に潜って目を閉じると、背中からため息が聞こえてきた。

気にせず目を閉じていると、次第に意識が遠くなって、いつものようにすぐに寝てしまった。



/ 1115ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp