第4章 祓う者と殺す者
「お邪魔しー…おーっと?」
テンションが異様に高い五条が、ノックなしに部屋に飛び込んできた。
言葉とは反対に、ズカズカと他人の部屋に侵入し、私達の横に座ってニコニコしてる。
「ちょっと。俺の知らない間に、2人とも仲良くなりすぎじゃなーい?」
「ただ話してただけさ。悟の思ってるようなことは何も…」
五条は私と傑の間に体を滑り込ませてきた。
「嘘つけ」
傑に触れられていた肩をポンと押されれば、簡単に倒れてしまった。
天井が見えるかと思えば大間違い。
見えるのは五条の顔だけ。
「千夏ー、ドア開いて…。えっ、何この状況」
導かれるように硝子もやってきて。
誰もが想像できる反応を取り、顔を曇らせた。
「合意?」
「んなわけ!傑と話してたら、なんか…こうなって…」
「でも、今上にいるのは…」
「…五条、デスね」
喉で笑いながらドアにもたれ掛かる硝子。
いつまで経ってもこちらに来る様子はない。
「五条……!いい加減、どけって!」
五条の胸を押し返し、硝子の元へ逃げる。
そうして初めて、硝子は部屋の中に入った。
「はい、出た出た。女子会するから出てって〜」
2人を心から冷めた目で見ているからだろうか。
硝子の言葉には服従力が込められているみたいだ。