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【呪術廻戦】infinity

第32章 世代交代の道標


*****

「着いたよー♪」

「……」

「顔色悪いね」

「…死ぬかと思った」



これでも硝子のようにズルはせず、正規の方法で免許を取った。

それでも、自分ですら自分の運転を信用していない。

だから、いざという時は術式を使うと言ったら、そういう使い方をするなと学長のように言われた。



「さて、怒られないためには…」

「まだそんなこと考えてるの?」

「だってぇ、先生…」

「学長」

「あぁ、学長。学長って意外と…」



「意外と、なんだ」



あら、不思議。

噂をすればなんちゃら…とか。



「お前らはいつになったら大人になる…!?」

「まぁまぁ」

「血圧上がってるねぇ!」

「…!!!」



舐め腐った私達を、般若のような顔で見てくる。

キスしたら許してくれるかな、等と冗談を言うと、ゲンコツが落ちて来そうだったので、私は硝子の手を取って走り出した。



「待て…!」

「あはは!楽しぃ!」

「ちょ…私は戦闘要員じゃないんだから…!」



少し走ると学長が足を止めたため、私達も角を曲がってスピードを落とした。



「いい運動になったでしょ?」

「ほんと…。やっぱりこっちが性にあってるわ。楽しすぎ」

「ねっ!」



昔と同じように笑う硝子の背を叩き、私達は硝子の仕事部屋へ向かった。

その途中、学長とは違う猪が突撃してきた。



「…!」



ソイツは私の首を取り、ねじ伏せてきた。

普段だったら、こんなものに倒れたりしないが、相手が相手なため力任せに倒れた。



「おい…!私に嘘つきやがって!」

「いったいな。そんなことより、挨拶は?」

「お前に挨拶なんて礼儀ないだろ」

「はっはっ!確かに」



上を見ると、硝子がいかがわしそうに見下ろしていた。

この子が入学が遅れていた女の子だと説明すると、硝子は名前を名乗って一足先に戻ってしまった。

硝子は3人以上でする会話が少し苦手になったみたいだ。
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