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【呪術廻戦】infinity

第30章 疲れとストレス


*****

目が覚めると、真っ先に真っ白な天井が目に入った。

そして、左腕に違和感を感じて、そっと顔を傾けた。

針が刺さっている上に、掌に人の掌が重なっていた。

その人物の頭はベットの縁に預けられていて、包帯が巻いてあった。

寝顔まで不機嫌面な伏黒恵くんは、どうやら私の手を握ったまま眠ってしまったみたい。

いつからこうしてくれていたのだろう。

少しだけ軽くなった体を起こして、恵の頭を撫でた。



「…や、おとめ、さん?」

「おはよ」



昨日と違い、とても眠そうな顔をする恵。

恵も手に違和感を感じたのか、私と繋がっている部分を見て、即座に手を離した。



「すみません」

「覚えてないけど、どうせ私が頼んだんでしょ」

「…まぁ」



昨日の夕方頃からの記憶が全くない。

恵があの男の子を追いかけて、どうなったのか…。

思い出そうとしても、何一つ、手がかりすら思い出せない。



「いやー、頭スッカラカンだわ〜」

「何も覚えてないんですか?」

「うん、何も」



恵が変な顔をする。

私は”また”何かやらかしたのだろうか。



「…八乙女さんは…まだ”八乙女さん”ですか?」

「…ん?」

「やっぱり、なんでもないです。気にしないでください」



恵は俯いたが、チラチラと私を見てくる。

恵が言いたいことは、全く伝わってこなかったし、言葉の意味すら不明だ。



「と、とにかく。後で五条先生は連れてきます」

「…悟が宮城にいるの?」

「それも覚えてないんですか」

「…うん」



悟が。

宮城に?

何で?



「詳しいことはあの人から聞いてください」

「な、何で悟がここにいるの?」

「それも、あの人から聞いてください」

「ちょ、恵…」



恵は立ち上がって、隣のベットへ移動した。

なんの説明もしてくれない。



「おはようございまーす」



タイミング良く(悪く)、看護師さんが入室してきたおかげで、追及することもできない。

せめて、任務がどうなったかどうか知りたいのに…。

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