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【呪術廻戦】infinity

第30章 疲れとストレス




目を開けると、そこは知らない場所で。

校内にいたはずなのに、外にいる。

よく観察すると、まだ高校の敷地内にいるみたいだ。

知らない場所ではなかった。



頭がぼおっとする。

目の前で何が起きているのか理解できない。



「オマエを呪いとして祓う」



上裸の男の子の向こうに恵が見える。

ボロボロで、頭から血を流して。

一気に体が起きて、走り出した。



「…八乙女さん」



頭がズキズキする。

けれど、顔には出さないで、いつものように微笑んだ…つもり。



「八乙女さん、もしかして…」



恵の手が左手に触れて。

とてもひんやりしていた。



「いや、なんともねーって。それより、俺も伏黒もボロボロじゃん。早く病院いこうぜ」



体から変な模様が消えていく男の子。

彼を睨む恵。

状況が分からない。



「今、どういう状況なの?」
「今、どういう状況?」



私の言葉に重ねてきたのは、ここにいるはずのない人で…。



「なっ…五条先生!」

「や」

「どうしてここに」



ふらっと傾く自分の体。

急いで重心を整えたが、体が思うように動かない。

手を動かすと、身体中が気持ち悪くて、吐き気を催した。

どうしても耐えきれなくて、歪む視界に苦労しながら校内に戻る。



『千夏、こっち』



千春に導かれながら、何とかトイレにたどり着き、嘔吐した。



『ごめん、私のせい』

「はぁ…はぁ…」

『勝手に千夏の体使ったから…』



とても我慢できるような吐き気ではなかった。

全てを吐き出しても、体の気持ち悪さは消えず、猛烈な不安感に襲われた。



『ちょっと待ってて』

「いや…行かないで…」

『千夏…』

「やだ、1人は…嫌だよ…」



走馬灯のように過ぎる記憶。

恵と別れてから、校内を歩いていたら…。

呪霊が”お母さん”って言っていて…。

千佳さんのことを思い出してしまって、呪霊を殺せるわけなくて…。

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