第30章 疲れとストレス
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酷い夢を見た。
悟が離れていくんだ。
バイバイって言って。
返信すらしてくれないのに、一方的に別れを切り出して。
悟がいなくなったら、私はどうやって生きていけばいいんだろう。
『しし…たい』
あぁ、──ちゃんだ。
私の一番最初のお友達。
何度も”したい”って繰り返し言ってきてたな。
何をしたいのか知りたかったけど、もう聞けない。
千春が殺しちゃって、もう会えなくなっちゃったからね。
あーあ。
──ちゃんに会いたいな…。
酷い夢を見た。
千春が私の飴を踏み潰してくるの。
悟から貰った飴なのに。
缶ごと、ぐしゃって。
そういえば、さっきから頭がぼおっとするんだよなぁ。
禁断症状のひとつなのかな。
意識が遠くなって、ふわふわするの。
面白い感覚なんだよ?
悟にも体験させたいな。
酷い夢を見た。
私のせいで恵が血まみれになっちゃった。
お話出来る呪霊がいると、どうしても周りが見えなくなる。
でも、途中から記憶が断片的なんだよなぁ。
外から自分を見ているみたいで。
いくら効力が落ちているからと言って、一般人がいる場でお札を剝がすようなバカはしない。
誰だよ、そんなことしたの。
私は自分で体を動かしてる感覚がなかったの。
でも、こんなの言い訳だよ。
私のわがままのせいで、恵が傷ついていいわけがない。
そう。
私のせいで────。