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【呪術廻戦】infinity

第30章 疲れとストレス


*****


虎杖悠仁。

ソイツから貰った箱には、呪物が入っていなかった。

俺が追ってきたのは、箱にこびりついた呪力の残穢…!!



「中身は!?」

「だァから、先輩が持ってるって!!」



頭の中に八乙女さんの憎らしい笑顔が浮かんだ。

絶対、こっちがハズレくじだと知っていたはずだ……!



「そういえば、今日の夜、学校でアレの御札剥がすって言ってたな」



不幸には不幸が重なる。

最悪だ。



「…え、もしかして…ヤバい?」

「ヤバいなんてもんじゃない。ソイツ、死ぬぞ」



走り出したのと、携帯を取りだしたのはほぼ同時だった。

もちろん、連絡を向けるのは八乙女さんだ。



「八乙女さん!ヤバいことになりました!」

『んー。こっちもまぁまぁヤバいかな』



呑気な声。

本当にやばいのか、冗談なのか、全く判断できない。



「今どこです!?」

『学校〜

「…!じゃあ…」

『指持ってる女の子、いたよ』



助かった…!

八乙女さんがついているなら、安心できる。



そう思ったのは一瞬のこと。

八乙女さんはやはり狂っている。



『一緒に御札剥がすことになった』

「…は!?頭おかしいんすか!?」

『私が恵に着いてきたのは、恵を監督するためでもあるけど、呪物を簡易的に封印するため。だから、一緒に御札剥がそーって』



一般人を避難させるのが先だろ…!

八乙女さんの適当さに、頭が割れそうになる。

こんなことなら、1人で来た方がマシだった。



「その人たち、殺すつもりですか!?」

『…』



おかしい。

八乙女さんが、”八乙女さん”じゃない。



「八乙女さん…!?」

『ま、とにかく”なるはや”で来てね。待ってまーす』



一方的に電話を切られ、会話を止められた。



「やっぱりヤバい?」

「…ああ。とにかく最短で学校に向かうぞ」



何があったのかは全く、何一つ分からない。

でも、想像よりもヤバいことになっていることは確かだ。

虎杖はまだまだ余裕そうなので、少しスピードをあげた。


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