第26章 三度目のクリスマスプレゼント
「吐き出すなら今しかないよ」
硝子が淡々という。
「今後……少なくともここ1ヶ月は、傑の名前を出すことすら疎まれると思う」
その事実に納得が言った訳では無いが、現実はそうなるだろう。
「……傑は、悪い事をした」
「そうだね」
「でも。私達の友達だった」
色々話そうと思えばいくらでも話せる。
でも、これに尽きる。
どんな話もこれに尽きるだろ。
「…硝子はまた戻るの?」
「そうだね。千夏は?」
「千夏は僕が借りるよ」
「…らしいです」
「そ。じゃあまた後で。学長、行きましょ」
既に空は血染め色。
横には彼が。
「最後……譲らなくてごめんね」
「謝ることじゃない」
「そっか」
このままだと、私はまた泣いてしまう。
けれど、彼の言葉を無視することは出来ない。
「…1回、抱きしめて欲しい」
「もちろん」
強く、強く、抱き締めた。