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【呪術廻戦】infinity

第26章 三度目のクリスマスプレゼント




「なぁ、千夏」

「何」

「私とお前は似ているよ」

「勝手に親近感湧かないで」

「お前も思ったことがあるだろ?」

「ありません」



あまり私に負荷がかかってこない。

今の言動といい、私とくっつきたいがために呼ばれたような気がしてみたり。

一体何を考えているんだ、この男は。



「まぁいい。いつか分かるよ」

「…何これ」



傑は私の手に何かを握らせてきた。

四角く中がくり抜かれたチャームが付いたループタイ。



「死亡記念プレゼント」

「そこはクリスマスプレゼントにしてよ」

「…絶対に無くすなよ」

「何なの、これ」

「誰に言われても、渡すな」

「は?危険なものなの?」


傑の顔には脂汗がびっしり。
息遣いも荒くなってきた。


「ずっと……千夏が、敵だった」

「…へぇ」

「私はこの世界では…心から笑うことは出来なかった」

「それは…」



しーさんの元彼を思い出した。
きっと、彼の世界にも私達は要らなかったんだろう。
私がいたら、笑えなかったんだろう。

傑が言ったことに否定する材料はなかった。
でも、


だとしても、そんな事…と言ったら悪いけれど、そんな事で人の人生を奪い、その人の周りにいる人に迷惑をかける権利を得られるわけが無い。


「私の望む世界には、傑は必要だった。私が笑うためには、傑が必要だったよ」


私がこの世界で生きようとしたから、みんな、みんな離れていくのだろうか。
私が違う道を選んでいたら、傑は────



いや。こいつはそんなことで生き方を決めない。



「…ああ、やっぱり千夏は私に、私は千夏に似ているよ」


そう言い終えると、傑は急に方向を変えた。
理由は私にも分かったので、大人しく従う。

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