第24章 熱血サンタクロース
「とりあえず…。乙骨君、久しぶり!」
「は、はい…」
「私の事、悟から何か聞いてる?」
「昔からの友達で、その、少し…幼稚な方だと」
「…それだけ?」
「あ…あとは、僕の先輩だとか。何の先輩なのかは聞かされてませんが。」
悟が何も伝えていないということは、私が説明しなくてはならないということ。
あの適当人間の体を搾って、たるみきった常識を再構成させたい。
「そしたら…、私が呪術師なんだーって言ったら驚く?」
「いえ…。憶測ですけど、そのカバンの中身って武器ですよね」
「そうそう、刀が入ってる。じゃあ、私が乙骨君と同じ状況だったってことは?」
「高専に転入してきたってことですか?」
「違う、違う。リカちゃんの話」
「…えぇ!!」
悟の奴、本当に何も説明していないのか。
「どういうことですか…!?」
「話すと長くなるから、詳しいことは今度悟に聞け」
今聞きたいのならコンブを貸すけれど、と付け加えようとしたが、私の思考を読んだコンブから必死なる拒否を受けたため、口を閉じることにした。
「まとめると、私は乙骨君の先輩で、怨霊をセーブできた人間なわけよ」
「あ、頭の整理が…」
本気でテンパる乙骨君。
このまま話を続行するのは不可能だと判断した。
「まぁ、今は急いでないし。落ち着いたらまた話そうか」
「は、はい。五条先生に詳しいこと聞いておきます…あれ、そう言えばお名前は…」
「あぁ、忘れてた。名前は八乙女千夏。年齢は悟と同い年」
「八乙女さん…ですね」
「千夏でいいよ。多分…色々ややこしくなるから」
千春、千秋、千冬の話をしなくてはならないから、八乙女さんと呼ばれると色々困ることが出てくるはずだ。