第24章 熱血サンタクロース
「棘がビビってるから」
悟の指の先にいるつんつん頭の男の子の名前は、狗巻棘と言うらしい。
私の記憶では、乙骨君を抜いた1年の中で、最も呪術師として位が高い男の子だ。
「棘は確か…呪言師だよね」
「しゃけ」
「そしたら、私、先輩だ」
「…?」
「私も呪言師だったからさ。よろしくっ!」
手を伸ばすと、戸惑いながらも握り返してくれた。
今言ったことの詳しい説明はまた今度話すと伝えると、これまた戸惑いながら頷いてくれた。
パンダと違って飲み込みの早い、素直な男の子だ。
「千夏がここにいるってことは、今日の百鬼夜行に参戦するってことか?」
「そう。高専の生徒、主に1年を中心にバックアップするの。シュンシュン、って」
例として悟のお腹に手刀を入れようとしたが、術式のせいで変なところで手が止まってしまった。
格好がつかなくて、少し恥ずかしい。