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【呪術廻戦】infinity

第3章 共通認識


「じゃーん!こ………」



ガタンガタンガタンガタン



電車の音で、全く声が聞こえない。
テンションが高いことだけ分かる。



やがて、電車が通り過ぎ静寂が訪れた。



「ただの河川敷じゃん。ウルトラびゅーてぃふるって聞いたんだけど」
「条件が揃えばスーパーハイパーびゅーてぃふるにな……」



ガタンガタンガタンガタン



これは社会人の帰宅時間に来た私達が悪い。
体が震えるほど大きな音。


「ま、こういうの普通に好きだからいいけど」


制服くらい汚れても気にならない。
何も轢かずに地べたに腰を下ろした。
その横に五条が座り、肩を並べて川を見る。
ガタガタうるさい音が去った後の川の流れる音の対比が、とても心を刺激すた。


「小さい頃、こういうところ沢山行ったよね」
「千夏が勝手に動き回ったんだろ」
「でも、一緒に来てくれたじゃん」
「腕を引っ張られたからね」


振りほどかなかったでしょ、とは言わなかった。
実際、最初の頃は逃げられてたし、『逃げたら大泣きしたっしょ』と言われたらおしまい。
泣き虫だったことは死ぬまで忘れておきたい。


「てか、喉乾いた。お茶持ってない?」
「あるけど、関節キスになるよ」
「なっ…!」


またからかわれた。
普段ならなんとも思わないのに。
五条の変な指摘のせいで。


「やっぱ、いらない!」
「でも、喉乾いてんだろ?」
「いらん!」


体をねじって五条に背を向ける。
ケタケタと笑う声が耳に届くたびに、喉の乾きが強調される。
クレープの後味がまだ喉に残っていた。


「いいこと考えた」


ピタッと背中に五条の温もりを感じた。
耳に五条の息がかかる。



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