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【呪術廻戦】infinity

第3章 共通認識



プルルルル…♪


「あ、硝子?今から戻るー」
『私達、もう帰ってるよ。千夏達、遅いんだもん』
「えっ。そういうことする?」
『グラサンと2人にしてあげたって言い方もできるけど?』
「心の友よ」



普通高校に通っているであろうJKが、大笑いしながら横を通り過ぎた。
数歩前に行ったところで、真ん中の子が振り返りコソコソと友達に何か話してる。
電話を切り、その視線の方を向くと、クレープの紙をまとめながら壁に寄りかかる男がいた。


「硝子達、先帰っちゃったって」
「置いてかれたってこと?」
「そ」


隣にいる人、彼女かな。
今まで何回聞いたんだろう、この言葉。
軽く鼻から息を漏らし、五条の持っていたゴミを貰った。


「私達も帰ろ」
「走って追いかける?」
「嫌だ」
「じゃあ、俺だけ走るよ?」
「なんで」


私が五条の恋人だったら、五条は何も言わず、当たり前に一緒に帰ってくれるのだろうか。
私が五条の恋人だったら、JK達に『私の彼氏!』と宣言しても怒られないのだろうか。


「じゃあさ、寄りたいとこあんだけど」
「どこ?」
「ウルトラびゅーてぃふるな場所」


それだけ言うと、五条は私の腕を掴んで走り出した。
あれだけ混みあっていた道が、五条を避けるように人が掃けていく。
人混みを走る非常識人がいれば当たり前に起きることなのかもしれないけれど、私には五条が魔法を使っているようにしか思えなかった。


『こっちだよ!』


子供の頃は私が五条を引っ張っていたのに。
私が五条を追いかけていたのに。
今では引っ張られてる。



五条も私を追いかければいいのに。



あの頃の私みたいに、頭の中を私でいっぱいにしてよ。
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