第23章 口走る本音
そこから、コンブは彼女の計画を全て話した。
馬鹿でアホであると貶されていた彼女が考えた計画だとは思えないほど、緻密で驚愕を与えるものだった。
正直、こうやってコンブが話しているのも、彼女の計画のうちで、自分をあざけわらうための作り話なのではないかと思った。。
そうであってほしかった。
いたずらには人一倍熱心に取り組む、バカな彼女のままで会ってほしかった。
しかし、所々にみられる彼女の大胆さや我慢強さ、恐れを知らない姿勢が感じ取れ、彼女の冷徹な部分を認めざるを得なくなった。
話が進めば進むほど、先ほどの無邪気な笑顔を忘れていった。
「仮に今の話が本当だとしよう」
「うん。今はそれでいいよ」
「一体、何が目的なんだ。そんなことを…あいつが進んでやると思えない」
彼女の初任務に立ち会ったのは、俺だった。
決してかわいいと形容できない呪霊を前に、彼女はそいつらを祓うことをためらった。
自分の命がかかっているというのに。
「いくら恨んでいても、あいつが、傑を殺すとは思えない」
傑は確かに許されないことをした。
彼が処刑されることに関して、私情を挟む猶予もない。
けれど、その処刑は公に行われるべきもので、個人で行ってはいけない。
仮に個人で行うことが許されるほど、一刻も早く首を飛ばす必要があったとしても、それを彼女にやらせてはいけない。
彼女にできるはずがない。