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【呪術廻戦】infinity

第23章 口走る本音


*****


「早速で悪いけど、話を急ぐよ」



元教え子、元上層部の悩みの種…etc。

体を表す名がいくつもある女、八乙女千夏との再会を経て。

窓ガラスの修理に想いを馳せていたとき。

彼女の置き土産である呪骸、コンブちゃんが偉そうに俺の肩を行ったり来たり。

彼女は『私にはそれが限界だった』と言っていたが、呪骸に心を持たせる時点で、並みの呪術師ではない。



「先に部屋の掃除をしても?」

「えー…いいよ」



どことなく彼女に似ているコンブは、自分は傷つかないからとガラス集めに協力してくれた。

あらかた部屋の整理ができ、割れた窓にも手を施し終わった。

そのことを確認すると、コンブは先ほどと同じことを言い、八乙女千夏の過去を語りだした。

彼女の過去は1時間に凝縮されても、まだまだうわべのみの話で、2時間話を聞いた俺は、結構すごいのではないかと思う。

(注:決して暇なわけではない)



「学長、聞いてる?」

「ああ、もちろん」



腰は痛くなったが、話を聞いていて退屈はしない。

コンブの話法が上手いのと、単純に彼女の過去が面白い。



そして、彼女の過去をあらかた知ったころ、コンブは第2部と言って新たな話を展開した。



「過去話には飽きただろうから、ここからはQの計画について話そうと思う」

「計画?」

「結論から言うとね」



コンブが言った言葉は、感動の再会をもみ消すように作られたもので。

一瞬頭が真っ白になり、何も考えられなくなった。



「Qは死ぬつもりだよ」

「……は?」



反応を示しただけ褒めてほしい。

けれど、コンブはそんな声掛けをすることもなく、どんどん話を進めていった。



「私はQの言うことを聞くために生まれた。だから、この計画を学長に話す時点でアウト。それでも話すよ」



傀儡呪術学を知る人ならばわかる。

コンブは”本気”で千夏の計画を邪魔するつもりだ。

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