• テキストサイズ

【呪術廻戦】infinity

第23章 口走る本音




「寝ぼけてる?」



千夏は首を振った。



「どうした?」



体を起こして、千夏を抱きしめた。

お腹が空いたのー、とか。

眠れないのー、とか。

怖い夢見たのー、とか。

思い当たることは聞いてみたけれど、どれもハズレ。



「しよーよ」

「…はい?」



寝ぼけているのは、僕の方だったのかもしれない。

幻聴が聞こえてしまった。



「すみません。もう一度お願いします」

「…したい」



おいおい、マジかよ。

幻聴ではなかった。

その証拠に、千夏の手があらぬ所でモゾモゾと動いている。



「ストップ、ストップ…!」



千夏の手を払って、肩を掴む。



「さっきまで、そういう雰囲気じゃなかったよね」

「…ごめん」

「違う違う!嫌だったとかじゃなくて」



問題はそれだけで無い。



「さっきは聞けなかったけど、最後に寝たのはいつですか」

「…3日前」



千夏の目の下には深いクマが。

意図的に寝なかったのかと聞くと、眠れなかったと返ってきた。

不眠の原因は様々だが、きっとこの場合はストレスだろう。

何にストレスを感じていたかは、別で聞き出す必要があるけれど、今すべきことは…。



「おし。今日はちゃんと寝よう」

「しないの?」

「今の千夏は睡眠欲と性欲が混じってんの。おぅけぃ?」



でなければ、随分と大胆になったものだ。

過去数回の営みの時は、こんなことはしなかった。



「それに、僕は欲だけで千夏を抱きたくない」



欲だけでいえば、今すぐ襲いかかりたいくらいだ。

けれど、千夏の体調や、僕自身が抱える疑惑をもって、千夏を抱きたくない。



千夏を抱き抱えて布団を被る。

『したい』と言っていた割に、ある程度睡眠欲が限界に来ていたらしく、あっさりと体を寄せてきた。



「眠れそ?」



そして、あっさりと就眠。

思わず笑ってしまった。

優しい寝息を子守唄に、僕も深い眠りについた。
/ 1115ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp