第22章 一握の優しさ
コンブはいくつかのSNSを徘徊し、時折誰かとやり取りをして大笑いした。
本当に探せているのかは謎だが、コンブを信用しておこう。
「五条悟ー、明後日だって」
「…何?」
「明後日、夏油って人、来るよ」
慌てて画面をのぞき込んだが、すでにページは消されていた。
「何で分かる?」
「ソースだよ。信頼できる人からのタレコミ」
それだけ言って、コンブは崩壊寸前の家族を題材にしたおままごとに戻った。
「ですって。学長」
「信頼できるか?」
「それまでに動向がつかめなかったら、信用するしかないのでは?」
「ガッテム」
明後日。
意外と早い。
それに、千夏が帰ってくる日と同じ。
偶然か?
それとも…。
「お集りの皆々様!!耳の穴、かっぽじってよーく聞いていただこう!!」
4人の特級が一人、最悪の呪詛師が叫ぶ。
「来たる12月24日!!日没と同時に!!我々は百鬼夜行を行う!!」
毒々しくなった声は、ここにいるすべての呪術師の耳に届いていた。
「思う存分、呪い合おうじゃないか」
その邪悪さは誰もが感じていた。
彼の連れが放った頓狂な声でさえ、そのすべては拭えなかった。
この敵だらけの場から、原宿の竹下通り行くなどというバカげた話は、信じがたいがどうやら本当のようだ。
呪霊に次々と体を預けている。
「このまま行かせるとでも?」
「やめとけよ」
流石といったところか。
それなりの考えはあったよう。
少ないとは言えない呪霊が、教え子の周りを囲んだ。
あくどいやり口だが、我が親友を見くびらないで済んだ。
「あ、そうそう」
傑が呪霊の足を掴んで、顔をこちらに向けた。