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【呪術廻戦】infinity

第21章 紡いだ新たな線



「今日は、無理なの。生理終わりたてで、まだ心配だか…ら」

「…そういうことは早く言ってよね」



手が胸から離れていき、変に火照りかけた体が少しうずいた。



こうなるから言いたくなかったし、最初から避けていたのに。

変に期待させた反動で、男がこういう反応をすることは分かっていた。



「その、ごめん。アレだったら、その、手とか口、使うよ」



知識がないから、派手なことはできないけれど、ある程度は知っている。



「だーかーら、そういうの、どこで覚えてきたの!?」

「え?」



ぐいんと悟の顔が近づいてきて、思わず顔をのけぞらせた。



「昔はそんなこと言わなかったじゃん」

「まあ、それは、恥じらいというものがありましたから…」

「もしかして、本当に男と遊んだ?」

「ない。ずーーーっと、悟一筋!」

「…悟って呼んだ」

「ん、まあ…」



肩にもたれかかってきたおかげで、腕が背中に触れたり、離れたり。

こういうもどかしい刺激が一番体をうずかせる。



「僕は別に欲求不満じゃないのー。千夏とくっついていたいだけ」

「…どうだか」

「ほんとだって。そうじゃなかったら、ここで襲ってる」



それは確かだ。

今のところ、私は一ミリも嫌な思いをしていない。



「…襲いたい欲を我慢してるだけなんだけどねー」

「それを欲求不満というのでは?」

「あ、そっか」



そして、耳元でため息をつかれ、ボソッと『抱きてぇ』と言われた。

こんなことを好きな人に言われて落ちない女はいない。

反則だろ、こんなの。



「明日。明日ならいいよ」

「いいよ、無理しないで」

「無理はしてない」



そして、悟に同情したわけでもない。



「私も、悟とくっつきたいもん」



悟の背中に手を回そうとしたその時。

悟が勢いよく離れてしまった。


そして、手で口元を覆い、固まってしまった。

私はこれが照れ隠しであることを知っている。



「あれれ、照れちゃった?」

「…明日、覚えとけよ」



もう一歩踏み出してからからかおうと思ったけれど、悟はドアの向こうに逃げてしまった。



「鍵、私のパーカーのポケットにあるから」

「分かったー」



一瞬だけ戻った”俺”の雰囲気に懐かしさを感じたと共に、明日が少し怖くなった。

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