第3章 共通認識
「これで全部回った?終わり?」
「終わっていいんじゃないかな。特に問題もなさそうだし」
硝子とハイタッチ。
ここからは100%で観光できる。
と言っても、私は生まれてからずっと東京にいるので、今まで何度も原宿には来てる。
が、このメンバーで来るのは初めてだ。
「私もクレープ食べたくなってきたな〜。誰か一緒に来てくれないかな〜」
顎に指を置いて、体をクネクネさせた。
「わぁ。こんなところにイケメン君!私と一緒にクレープ買いに行きませんか??」
両手を広げてクルッとターン。
後ろで手を結び、身体をかたむけて髪を耳にかける。
極めつけは、この可愛らしい笑顔。
好きな人に向ける笑顔は、最強だとネットに書いてあった。
「クレープは飽きたー」
「そんなこと言わずにぃ!可愛い女の子が誘ってるんだぞぉ〜」
私の変なテンションと裏声に、お腹を抱えて笑っている硝子。
その横では傑がクスクスと静かに笑っている。
「ねー、いこーよ」
「硝子と行けばいいだろぉおぉおぉー」
五条の服の襟を掴んで前後に激しく揺らす。
幼い子にこれをやると虐待なので注意。
「私はコイツと待ってるよ。2人で行ってきな」
硝子も、傑も、私が五条のことを世界で1番好きであることを知っている。
つまり、恋の味方ってわけ。
本気で応援してくれているかは知らないけれど。