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【呪術廻戦】infinity

第20章 昔話のハッピーエンド




飲み終わったパックをゆすぐため、台所に向かった。

レバーをあげて水を出すタイプであると判断したとき、後ろから抱きしめられた。



「ここからは個人的な時間でいいよね」

「…いいんじゃない?」



パックを洗うのは後にする。

横にパックを放置して、唐突なハグに応えた。




頭を胸に押し付けられながら、静かで情熱的な時間を過ごした。

お互いがそこにいることを確認しあうように、持続的に温もりを感じる。



「会いたかった」

「それは僕のセリフ」

「僕って何」

「今は”僕”を使うようにしてる。”俺”の方がいい?」

「どっちでもいい」



どっちでもいい、というか、どっちも好き。

大好き。



「サングラス取ってもいい?」

「どうぞ」



さっき何故か五条が電気を消したけれど、この暗い中でも輝いているなんて。

この目は一体どこまで私を魅了するんだ。

絵の具でこの色を再現しようとしたこともあったけれど、上手くいかなかった。



「五条の目、好き」

「目だけ?」



自信に満ちた顔。

ずるい。



「うん、って言うと思う?」

「さぁ。生憎、心は読めなくてね」



なんて甘ったるい時間なんだ。

頭が回らない。



「てゆーか、五条って何?」

「何って?」

「下の名前で呼んでよ」

「えー…、何か癖ついちゃったし」



嘘。

恥ずかしいだけ。

こういう時は、話をそらすことに限る。



「あれから、色んなことがあった」

「話逸らしたな」

「本当に色んなことがあったんだよ」



五条……、悟の手が頭を撫でてくれた。

とっても優しい手つきだった。

この手が昔から大好きだった。



「千夏は本当に強いね」

「んー…」



猫のように頭をグリグリと押し付けた。

すると、猫相手のように接してくれる。
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