第3章 共通認識
「あーあ。ここまで来たなら、京都いきたい」
「分かる」
前を歩く冥冥さんと歌姫。
任務に意欲的なのは2人だけだ。
「冥さーん。後どのくらいですか?」
「10分で着くよ」
硝子はふたりの間に割り込んで、冥冥さんの顔を覗き込んでいた。
…もしや、硝子もやる気?
こっちの仲間じゃないのか。
おい、親友よ。
仕方がないから、1人で歩く。
前の3人は会話が弾んでいて、楽しそう。
時折硝子がこちらを見ては、ニヤッとして見せつけてくる。
何がしたいんだ。
(あーあ、暇だ……あっ、雲)
ラピュタに出てくるような大きな雲。
もくもくと塊を作り、圧倒的な存在感を放っている。
(...皆で原宿に言った時も凄かったなぁ)
気づけば辺りは緑が生い茂っていて、ミーンミーンとセミが鳴いている。
ジコジコ、ジュージュー。
色んな虫が鳴いている。