第3章 共通認識
「あつーーー!」
「乙女の肌を労れや…。暑すぎる…」
「千夏の元気がない!こんなことあるんだ〜」
「あ?肌テカテカしてっぞ。あぶらとり紙買ってやるよ」
「日焼け止め塗った!塗ったばかりなの!」
「日焼け止めって塗ってから30分くらい経たないと、効果ないらしいですよ〜」
千夏、硝子、歌姫。
3人はとある任務のため、岐阜県に来ていた。
「冥さん、来ないね」
「預金でも確認してんじゃね?」
冥冥さんも一緒に来たのだが、中々空港から出てこない。
この隙にトンズラしたいくらいだ。
「てか、あんた達。今回の任務、分かってる?」
「さぁ。夜蛾先生に突然行けって言われたから」
「「ねー!」」
歌姫はからかうと直ぐに怒るから面白い。
先輩して扱うつもりは全くないのだ。
「いい?最近、ここらで謎の死体が見つかってんの」
「あー、なんかそれっぽいことは聞いたかも」
「その調査がメイン。余裕があれば祓う。OK?」
「了解しました」
「…って、千夏は!?」
「お土産見てくるって言って、走っていきましたよ」
遠くから歌姫の声が聞こえる。
後でグチグチ言われるだろうな。
「どこに行くんだい?」
「……冥冥さん」
長い髪の毛を揺らしながら、近づいてくる。
私の苦手な顔をして。
「勝手な行動をしちゃダメじゃないか。皆はどこ?」
「…あっち」
冥冥さんは私の肩を抱いて、歩き出した。
心の中で舌打ちをして、大人しく従う。
ここで逃げたら何をされるか分からない。
「預金でも見てたの?」
「学長とお話してたの」
「ふーん」
やっぱり冥冥さんは怖い。
謎の威圧がある。
どうして皆は普通に接することが出来るんだろう。