『【呪術廻戦】infinity』第19章「10年の後悔と1時間の奇跡」 241ページ - 夢小説(ドリーム小説)が無料で楽しめる -ドリームノベル- [スマホ対応]
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【呪術廻戦】infinity

第19章 10年の後悔と1時間の奇跡



「さて、何から話をしようか」



彼女はサングラスを少し下げ、いたずらな瞳を覗かせた。



「本当はこの後予定があったんだけど、七海ちゃんに会えたから変更。今日はこのまま七海ちゃんと話して、硝子のところに行くよ」

「家入さんは…」

「ああ。硝子も七海ちゃんも先生も、そして五条も。今日、久しぶりに会ったよ。何年も会ってない」



彼女に聞きたいことは沢山ある。

けれど、それより先に話さなければならないことがある。

サングラスをひょいとあげた。



「さて、聞きたいことは…」「八乙女さん」

「お、何?」



喉が絞まる。

慎重に言葉を紡ぐ。



「すみませんでした」



横を向き、きちんと頭を下げる。

本当は外に出て頭を下げる方が良いのだろうけれど、それは後に回そう。

今はとにかく、後悔を取り除く奇跡のような機会を無駄にしたくない。



「なんの事?」

「今は聞かずに受け入れてください」

「分かった。いいよ、許す」



頭の上に彼女の手を感じる。

どこまでも唯我独尊な人だ。



「この手は?」

「なんか可愛かったから」

「は?」



顔を上げると、サングラスとマスクを外しながら笑う彼女がいた。



「あ、今笑ったでしょ!」

「笑ってません」

「笑ってた。ずぇーーーったい!」

「…」「ほら、また!」



この人は本当に変わらない。

私自身が彼女の不変さを求めていた。

だからあの時、彼女に助けを求めたんだ。

いつもと変わらない様子でいてくれると思ったから。

それにも関わらず、愚かな自分は彼女を突き放してしまった。

そのことをずっと後悔していて、今日謝罪の機会をもらったわけだが、彼女は話を長引かせることなく、すぐに話を終わらせた。




今ならわかる。

素直に認められる。

彼女は優しさの塊だ。



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