第2章 ハグの効果
「色々長くなったけど、私が言いたいのは一つだけ。みんな、大好きだよ」
3人とも目を丸くして驚いていた。
その反応に満足した私は、にんまりして髪の毛を結いた。
先生から逃げてきたというのは本当だろうけど、私に会いに来てくれたことも本当だ。
以前みんなと話してる時が1番楽と呟いてから、毎回欠かさず誰か一人は会いに来てくれる。
自分でもあざといと思っているが、面倒臭がりの皆が会いに来てくれる辺り、大切にされてるなと感じる。
それが心地よくて、つい皆を頼ってしまう。
「えっ、キモイんだけど」
「流石に『大好き』はね〜…」
「私達にそんな絆があったとは」
……。
「待った、待った!」
「ずるい使い方だな」
「親友ちゃんにそんな目を向けないの!」
別にみんなに私のことを好きでいて欲しいなんて思ってない。
思ってくれてたら嬉しいな、ってくらい。
本当に、そう。
「ほらほら、早く先生に怒られてこーい」
今、笑ってる。
こんなにブルーなのに笑ってる。
「…さてと、そろそろ先生もキレる頃だし」
「悟のせいなのにね」
面倒くさそーに3人はまとまって部屋を出ていった。
誰もいなくなった部屋は本当に静かで。
寂しい。
ここで戻ってきたらイケメンなのに。
とか考えてみる。