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【呪術廻戦】infinity

第18章 カゲロウ



*****


(まあ、結局行くしかないんですけどねー)



東京の街並みはあんなにも変わっていたのに、ここは何も変わらない。

まるで、タイムスリップしたようだった。



どうやって敷地に入ろうか。

呪力を極限まで抑えても、反応されるだろうし。

けれど、呪力を抑えて進むしか方法がない。

頭のいい千春ならば、ほかの方法を思いついただろうか。



試しに腕を中に入れてみた。

反応はない。

足を一本。

反応なし…。



(は、入れてしまった)



もしかして、何のセキュリティもなかったのだろうか。

とにかく、高専に無事潜入完了。



ここまで来てしまえばこっちのもの。

乙骨君のものと思われる気配を、さっきから感じている。

後は移動するだけだった。



(うわっ、生だよ。生五条だよ)



劇的な再会を夢見てたものの、一足先に五条を見つけてしまった。

包帯のようなものを目に巻いて…あれが最新のオシャレ?

東京出身だけれど、長い間地方にいたおかげで、東京のファッションはよく分からない。



(本物だァ)



10年ぶりにみる五条のかっこよさは衰えていない。

早く抱きしめてもらいたい。


けれど、猛烈に帰りたがっている自分もいる。

妄想だけを頼りに生きてきた私にとって、リアルの会話の仕方を忘れてしまった。

昔の私がよかったと言われてしまったら、体が裂けるまである。



このまま五条に抱きつきたい私と、逃げたい私。

どっちが勝ったかとい言うと…。



結果からいうと、逃げたい私。



その証拠として、五条が消えた瞬間に乙骨君の元に移動して、彼を攫った。

今日の目的を早く済ませて、トンズラしようという計画だった。

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