• テキストサイズ

【呪術廻戦】infinity

第14章 ラストオーダー



五条の予想は正しく、次の駅で降りてしばらく歩いていると、人混みの中から傑が現れた。


「よっ!」


いつにも増してハイテンションな傑。
笑った顔から、いつもより楽しそうに見えた。
冗談で腕を広げてみると、不思議そうに首を傾げて、でも、いつものように抱きついてくれた。


「1週間ぶり?」
「そうだな」


2人で横に並んで歩いた。
目的地はなかったけれど、適当に道を曲がって、ある時行き止まりにたどり着いた。



「五条達と会った?」

「さっき会ったよ」

「何話したの?」



傑は笑って、私の肩に手を置いた。



「皆から聞いてないのか?」

「聞いてるよ。でも、あれ嘘でしょ?」

「嘘じゃない」

「冤罪でしょ?」

「残念ながら、それはないね。硝子にも同じことを言われたよ」



背筋が凍るとはこのことだろうか。

少し汗ばんで火照っていたのに、とても冷たく感じる。



「信じてくれたのか。ありがたいね」



全く心が籠っていない言葉だった。



「口、そろそろ閉じたら?」



傑の手が顎に伸びて、おもちゃをいじるように口を閉められた。



「なんで…?」

「術師だけの世界をつくるんだ」



意味が分からない。

言葉の意味は分かるけれど、どうしてそれが傑の口から出てくるのだろうか。



「だから、人を沢山殺したの…?」

「手始めにね」

「…手始め?まだ誰か殺すってこと?」

「目指す世界に猿はいらない」

「猿…?」



傑はニコッと笑った。

そして、私の首に手を伸ばした。



「非術師のことさ」



少しだけ手に力が込められ、少し息苦しい。



「…流石。肝が据わってるな」



首元が涼しくなり、触れられていた箇所を摩る。

気持ち悪さが残っていた。



「どうして、傑がそんなことを言うの?」

「いけなかった?」

「だって、傑は私のことを優しい人だって言ってくれた。傑の力は誰かを救うためにあって…」

「私はもう、術師だからという理由で、人を救うことはしない」



/ 1115ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp