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【呪術廻戦】infinity

第14章 ラストオーダー




『千夏ー?夏油、いたよ』



丁度私が八王子市に着いた時だった。

改札を出て右に曲がろうか、左に曲がろうか考えていたところに、連絡が入った。



「どこ」

『新宿』

「今、隣にいるの?」

『うん。空見て笑ってる。ほんとキモすぎ』



電話の奥で微かに傑の声がした。

思わず笑ってしまったほど、記憶の中の声と一致していた。



「捕まえといて。今から行く。40分くらいかかるけど」

『40分も?はは、無理そーだけど、最善は尽くしておく』



なんだ。

人目を避けたいだろうから、都心には行かないと思っていたのに。

どうやら、ハズレくじを引いてしまったようだ。


特急列車を使えば、もう少し早く着くかもしれない。

とにかく急ごう。

急いで、急いで、早く傑に会って話し合おう。

傑の無実を証明する方法を。






【ただいま人身事故が発生した影響で、運転を見合わせております】






そんな文章が電車内のモニターに写った。

欧米人並に頭を抱え、ため息をついた。



人身事故の影響は電車を10分程度遅らせる程度のもので、大事には至らなかった。

到着が10分遅れたことで、私にどのような影響が生じるかはまだ分からない。

そう考えていた時、五条から電話がかかってきた。



「ごめん、いま電車なの…」



小声で電話口に向かって話した。



『千夏』

「……どうしたの?」



五条の声色がいつもと違う。

覇気がなかった。



『多分そっちに傑が行くと思う』



傑がこっちに?

五条や硝子と話はしなかったのだろうか。



『いいか。何があっても約束は守れよ』

「…どういうこと?」

『俺はお前まで失いたくない』



その言葉を最後に電話は切られた。



(お前”まで”……?)



どういうことだろうか。

傑は五条に何を言ったのだろうか。

一体、新宿で何があったというのだろうか。


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