第14章 ラストオーダー
元々数日がかりの任務だったことを考えると、約2日、時間に直すと40時間で終わらせられたのは大健闘だろう。
しかし、私はすぐにでも帰りたかった。
だから、こんなに時間を食われて、非常に腹が立っている。
新幹線の待ち時間も実際よりも長く感じ、駅から高校に向かう時もことある事に信号に引っかかり、怒りを刺激した。
高校に着いたのは早朝で、鳥が優しく鳴いていた。
それすらも、私の神経を刺激した。
少し歩くと、安心する顔が集まっていて、そこに向かって走った。
「おはよう。2人とも早起きだね」
2人は挨拶すら返してくれなかった。
その代わりに、これから街に行くということを伝えられ、一緒に来るかと聞かれた。
もちろん答えは決まっていて、五条がスーツケースを瞬間移動で私の部屋の前に置いてくれたことを確認してから、私達は朝早く出かけることになった。
「んじゃ、私は新宿方面」
「私は世田谷区とか、そこら辺」
「俺はその他諸々」
傑は無罪。
私は信じている。
彼はそんなことはしない。
だって、あんなにも素敵な術式を持っているのだから。
私の考えを認めてくれ、優しいと言ってくれたのだから。
そんな彼が極悪非道なことをするはずがない。
私は心からそう信じていた。