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【呪術廻戦】infinity

第11章 裏切りのスパイス



「結局、何がしたかったの?」

「私が千夏を殺せと依頼されたのは本当だよ」



背筋が伸びる。

そして、千春が徐々に表に出てくる。

さっきまで自分が大丈夫だと言っていたのに。



「でも、千夏は将来有望」

「金になるってこと?」



冥冥さんは笑った。

これがもう、答えそのものだった。



「ほんと。冥冥さんってば、分かりやすすぎて…あはは!」



誰よりも分かりやすい冥冥さんは、誰よりも真っ直ぐなのだ。

冥冥さんの軸は一つだけ。

金になるか、ならないか。



「で。任務失敗って報告するの?」

「それしかないね」



なるほど。

冥冥さんは、今回貰う(もしくは、貰った)金額よりも、私の出世払いを期待しているようだ。

私が冥冥さんの手先として働く、あるいは冥冥さんに頼み事をする可能性は今のところないのに。

なにか手でもあるのだろうか。



「私からも証言しとくわ。『冥冥さん、弱すぎて笑い止まんない』って」

「それは困るよ。私の評価は落とさないで欲しい」

「はは!じゃあ、『私って強すぎて困るわぁ』とか、セレブ風に言ってみる?」

「それは面白いかもしれないね」



本当にそう思っているかどうかは分からない。

とりあえず、帰った後にお互いに不利益がないような話を作り終わった。



「冥冥さん、これ貸しだからね」

「ふふ。口約束ほど脆いものはない…」

「えっ、私のこと殺そうとしたよね?自覚してる?」



今回のことは五条に報告した方がいいのだろうか。

自分の中では既に誰にも言わないと決めているが、形式上は迷っていることにしておきたい。
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