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【呪術廻戦】infinity

第11章 裏切りのスパイス


「てゆーか、冥冥さんと初めての任務がこれとか、最悪なんですけど」

「確かにこれは嫌だね」



建物自体が油でベトベト。

滑ってコケないようにするだけで、一苦労。



「その傘って重い?」

「持ってみるかい?」

「遠慮するー」



お喋りをしながら進む。

時折現れる呪霊たちの対応は、全部冥冥さんがやってくれるので、私はただ歩くだけでよかった。



「退屈してるみたいだね」

「まぁね」

「じゃあ、少し踏み込んだ話をしようか」



冥冥さんが斧を振り、残り風が私の横を通り過ぎた。



「随分と上に目をつけられてるみたいだね」

「あー。そっちの話か…。『動くな』」



冥冥さんの耳にも入っているなんて、少し驚き。

誰から聞いたのだろうか。



「聞くところによると、面白い体をしてるらしいじゃないか」

「はは。その言い方、なんかハレンチだよ」



ハレンチといえば、昨日の夜…。



「きゃぁーーー!」

「…」

「冥冥さん、聞いてよ!昨日ね…。あっ。『動くな』」



弱いくせに、自分のことを大きく見せてくる呪霊。

私の中で『話せる呪霊』と『話せない呪霊』の区別はできている。

こういう雑魚は有無を言わせず、殺すことに決めている。



「…殺さないの?」



私が動きを止めて、冥冥さんが殺す。

そのリズムで今までやってきた訳だが。

どうにも、冥冥さんが動かない。



「どうした?」



冥冥さんが上を見た。

次の瞬間。



「ぎぎぎがゃゃ!」



芋虫型の呪霊が落ちてきた。



「うえ、汚ったな」



思わずしりもちをついてしまい、おしりがベトベト。

制服なんて何着もあるわけじゃないし、クリーニング屋に行く時間もないし。

手洗いで頑張るしか無さそうだ。


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