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【呪術廻戦】infinity

第9章 陳腐な七色、儚い紅


ムクっと塊が起き上がった。

咄嗟に顔を背け、ベットとは反対側に顔を向けた。



「おはよ」

「んー……」



先程の落下で千夏が何も身につけていないことが分かっていたので、咄嗟に顔を背けた訳だが。



「…あれ、しょーこと、すぐる?」

「そ。朝イチでやってきた邪魔者。俺的には朝からもう1戦とか考えてたんだけど、予定変更になった」

「もう1せん…?」

「そう。もう1戦」

「…!?!?!?!?」



声にならない叫び声を感じ、誰かが殴られる音がして、隣から硝子の笑い声が聞こえて。



「…そろそろこっち向くの飽きたんだけど」

「あ、ごめん!ちょっと待って。五条、私の服とって」

「どこ?」

「知らないよ」

「じゃあ、とりあえずこれ着とけ」



千夏は寝起きの機嫌が悪いと聞いていたが、驚くことがありすぎてすっかり目が覚めたようだ。



「ごめん、傑。もうこっち向いて大丈夫。ありがとう」



振り向くと、千夏は悟がよく着ているパーカーを着ていた。

はにかむ千夏の顔は、私の知っている千夏だとは思えないほど、別人のように見えた。

あんなにも柔らかい顔を見たことがない。



「千夏〜。後で女子会だぞ」

「う、うん。分かった!」



ほら。

こんな顔は今まで見た事ない。



「そういえば。なんで2人はここにいるの?」

「千夏に聞きたいことがあるんだって。あはっ。やっべ、まだ笑い残ってたわ」



どうぞ、というように、悟が手をこちらに伸ばした。



「私に聞きたいこと?」



昨日のことを覚えていれば、私達が何を聞くか大体分かるはずだが。

とぼけ顔の千夏は、やはり馬鹿だと思う。



「…私達もこんなこと聞きたくないけどさぁ」



硝子が『お前が言え』という目で見てくる。

渡されたバトンを握り、千夏をまっすぐ見た。















「千夏は呪霊なのか?」





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