第70章 𝘚𝘦𝘤𝘳𝘦𝘵
『体のこともあるし、寝ろって言ってたんだけど…』
「食事は?」
『まぁまぁ。もっと栄養取ってもらわないと困るけどな』
こうしてみると、本当に千夏に似てるな…。
「てか、体って?風邪引いてたっけ」
「『…』」
服を着替えながらふと疑問をぶつけた。
返答がないから視線を配ると、2人は目線で会話していて。
硝子がだるそうに携帯をこっちに向けた。
そして、録画開始のボタン音。
『お前も何も聞いてないのか』
「何を?お前もって、何?」
『私も聞いてなかったんだよ。まぁ、報告する時間もなかったしな』
「だから、何を」
そんな勿体ぶらなくても、いずれ言うんだし。
この時間無駄っていうか────
『妊娠してるよ、千夏』