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【呪術廻戦】infinity

第70章 𝘚𝘦𝘤𝘳𝘦𝘵



「本気出したなら、どうして千夏は歩けるの?」
「ふっ、ふっ……いじわるっ〜…」
「うん。でも、千夏は呪術師なんでしょ」


僕は止めたよ。
でも、千夏が選んだんじゃないか。
呪術師なら、死を恐れず、後を考えず命を守る。


「はぁ、はぁっ、んっ、ひー…ぐっ、ふっ…」
「泣かないの」
「はぁー、はぁー、びっ…」
「…ちょっと話そうか。おいで」


千夏を抱き抱えて、頭を撫でる。


「硝子!5分貰うよ!」
「はいはい、どーぞ」


5分。



5分だけ。



「…僕、これから宿儺と戦うよ」


恵のことは、知っているのだろうか。
言わない方がいいよね…。


「千夏」
「ひっ、ひっ…」
「本当にありがとう」


僕が厳しく言ったのは、決して今の成果がコレだからではない。


「やめ、てよ!わ、私、誰も……の、ばらも、ななみちゃ、も、せんせぇ、だって…!」
「それでも、戦ってくれたんでしょ?」


誰よりも千夏を理解しているつもりだから。


「小さな命とか、大きな命とか。誰の命とか。そういうのを気にせず、どの命も平等に扱って…全ての死を抱えようとして傷つく。そんな千夏が、彼等を失っても戦ってくれたんでしょ?」
「ちがっ…」
「じゃあ、この傷は何?転んで怪我したの?」
「…っ」


僕が公に責めてあげないと、千夏はずっとひとりで抱えるはずだ。


「わ、たしは、何も、してないの。め、め、ぐみに、たた、かわないでって言われて、悟のところに、行ったらダメって、天使ちゃ、のところ、行ったらダメって…」
「従ったの?」
「き、き、たくなかったけど、め、ぐみとか、九十九、とか、皆が、それがいいって…」
「そっか」
「ど、ーせ、私、何も理解してないし、むずかし、いこと、わか、ないから…」


確かに今起きている死滅回游とか、羂索のこととか。
複雑すぎて千夏が全てを理解できるとは思わない。
急ぎで進めなくてはいけないから、千夏に一旦スルーしてもらう方法をとったんだろう。
きっと僕でもそうする。


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