第69章 取捨選択
『…で。ウルハが来て、どうするつもり?彼女の術式は千夏には使えない』
「うん。でも、2人には使える」
ウルハの術式がとても強いものであることは身をもって知っている。
彼女がいれば、どんなに八方塞がりな状況でもどうにかなるかもしれない。
グゥー…
『お腹空いたのか…』
「う、ごめん」
「じゃあ、私…また下行って何か買ってくるよ。ここ居て」
勿論、その代償があることは知っている。
でも、死ぬよりはマシだ。
2人には死んで欲しくない。
『私は戦えないから偉そうなことは言えないけど、人を何人も守りながら戦うなんて無理だ』
「分かってる。でも、ウルハがいたら…」
『それでも。彼女の術式は強い。でも、このレベルの戦いに彼女は慣れていない』
千春が言うことは正しい。
でも、正しいことだけを拾って歩くのは────
『じゃあ、言っちゃうけど』
千春は私のことを第一に考えてくれてくれた。
でも、その言葉はあまりにも残酷すぎて
『野薔薇、死んだよ』
当たり前の、人間としての活動……例えば、呼吸とか、瞬きとか。
そういうものが全て消える。
『夜蛾先生も死んだ。あと、七海も死んだ』
どく、どく……と。
体がズレていくのを感じる。
『この人達が死んだ。それ程の戦いなんだ。ウルハが弱いとは言わない。でも、そういう戦いなの』
野薔薇が、いない?
七海ちゃんが、もう、いない?
死んだって……もう生きてないってこと?
どこにもいないってこと?
だって最後に話した時……
もしかして、別れて行動したから?
私といる方が危険だと思って遠ざけたのに、選択を間違えた?
私がいたら、みんなは死ななかった……私が守れたはずなのに。
『千夏には力がある。でも、それは自分のために使って欲しい』
野薔薇は、野薔薇は……
七海ちゃんはだって、……