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【呪術廻戦】infinity

第9章 陳腐な七色、儚い紅


頭が痛い。

朝飯を食べてきていたら、この頭痛はなかっただろうか。



「無理やり襲ったなら、今ここで殺すよ?」



硝子が悟に向かって指を向けた。

銃の形をした手だった。



「んなわけねーだろ」

「どうだか」

「俺の事なんだと思ってんの」

「逆に、そう思われてないと思ってることが、不思議でしかたない」



悟がくれた飲み物を飲む。

一体どこから整理したらいいのだろうか。



「んで?話って何」

「…あ、あぁ」



その整理のチャンスも奪われ。

思考はを1度停止せざるを得なかった。



「昨日の続き。千夏は一体何者?」

「…その聞き方する時点で、答え出てるよーなもんだろ」



硝子と顔を見合せ、ため息をつく。



「うちらは直接聞きたいの。こんな仮説が正しいなんて、簡単に信じられねーし」

「はっ。それは間違いねぇ。ちなみに、どんな仮説?」



意を決して、打ち明ける。

突飛で馬鹿げた仮説を。



「仮説は2つある」

「ほー。流石っ」

「1つ目は……、千夏が呪骸である可能性」



千夏自身が大きな人形で、先生によって生み出された説。

先生の術式によって生み出されたものの、何らかの突然変異のようなもので、今の千夏になったという仮説だ。

根拠としては、入学前から先生と親しく、今でも2人は割と仲が良いこと。

術式が謎であること。

千夏の過去がはっきりしないことが挙げられる。



「2つ目は…。こんなこと言いたくないけど、千夏が呪霊である可能性。根拠は千夏の強さ」



硝子が雑に説明してくれたことに付け加えると、大抵の任務において千夏が無傷で帰ってくることも根拠のひとつだ。

呪霊ならば、自己回復能力が飛び抜けていてもおかしくない。



「まぁ、他にもいろいろ考えたけどこれが…」

「…五条?」



悟は話の途中で、ベットに腰掛け頭を抱えていたのだが、その体が震え始めた。



「ふ……ははは!」



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