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【呪術廻戦】infinity

第9章 陳腐な七色、儚い紅




「悟。起きてる?」



ドアをノックしながら、声をかけた。

今の時間なら、起きていると思うが。



「起きろよー。私らを待たせるなー」



硝子が声をかけると、中から返事があった。

聞くだけでこっちまで眠くなる声だった。



「…なんだよ」



姿を現した悟は上裸で、不機嫌そうに眉を寄せていた。



「あのさー、聞きたいことがあるんだけど」

「それ、今じゃなきゃダメか?」

「できるだけ早く聞きたい」

「眠ぃーんだけど…」



ライオンのように大きく欠伸をして、頭を搔く悟。





と、その時。





ドスッ





重い何かが落ちる音がした。





「ったく…」



悟は面倒くさそうに部屋の中に戻っていった。

開け放たれたドアから部屋を覗くと、ベットの横にシーツの塊が。

その塊からは、見覚えのある色の髪の毛と、色白い背中が見えていた。



「え、待ってよ」



硝子が許可なしに部屋に足を踏み入れた。



「昨日のあれって、灰原が正しかった感じ?」

「灰原…?あいつ、なんかしたっけ」



悟は千夏の体をシーツで包んで、ベットの上に乗せた。



「コイツ、寝相悪すぎてムカつくんだけど」

「そうだね。私も何回蹴られたことか」



硝子はドア付近の棚に置いてあったサングラスを手に取り、遊んでいた。

この状況を飲み込める硝子の柔軟さに、感服する。



「悟…」

「ん?」

「千夏と付き合ったってことで、いいんだよな」



自分で言いながら状況を整理する。

今まで2人が付き合っていた可能性は低いから、昨日別れた後に進展があったとみるほうが手っ取り早い。

しかし、そんな整理も無駄になる。



「付き合っては、ない」


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