第69章 取捨選択
「充電できた!」
「おー、良かったねー」
…やっぱりこの人は連れて行けない。
「千夏さんたちは外で綺羅羅さんと待機お願いします」
「え。私達、天使探すん…」
「天使は俺たちが探します」
「え、あ、え…」
千春さんに縋っているが、千春さんもきっと俺の考えに共感してくれるはずだ。
だから、さっき俺に木下若葉の名を言ったんだ。
「なっちゃん、私と待ってよ〜」
「なんでよ。みんなのこと探しながら悟のこと………じゃなくて、えっと…あれ、じゃあ私は何したらいいの?」
「死滅回遊は羂索の生死とは別ですが、羂索は潰さないといけない」
「羂索を…潰せってこと?」
この人にそんな芸当ができるとは思っていない。
でも、千春さんがいれば、千春さんが動けば…。
「はい」
願いは現実となる。
「でも、津美紀さん…」
どうなるか分からない現状が、不安を生み出す。
この人がいなくても、津美紀を無事に救えるだろうか…。
津美紀だけは絶対に助けなくてはいけないから。
『今決めろ。お前は誰を救いたいんだ』
術師としてどうありたいか。
何を助けたいか。
「全員救います」
本心で思ってるわけではない。
真似事でもいいから、こう言わないと何かが廃る気がした。
それぞれが動くため、離散し始めた時。
千春さんが小さく話しかけてきた。
『その生き方は辛いよ』
「…でも、綺麗だと感じてしまったので。憧れるしか無かったんです」
何度痛い目を見ても、上を向ける強さがあるのなら、その強さに憧憬するのは当たり前のように思える。
『……お前は強いな』
「え?」
『そういうの、好きだよ』
その顔で好意をストレートに伝えられると本っ当に困る。
幸い、千春さんはすぐに千夏さんを追いかけて行ったため、この顔は見られないで済んだ。
「…伏黒きゅんも大変ダネ」
「…ほっといてください」