第9章 陳腐な七色、儚い紅
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「教えろって」
「俺から言えることは何もない」
「先生、そろそろ同じことばっか言って、飽きたんじゃない?」
「俺から言えることは何もない」
先生より自分達の方が先にこの会話に飽きてしまい、硝子と一緒に部屋を出た。
「ったく。あの先生、意味わかんねー」
「千夏に振りかかってるものは、思っているよりもヤバいのかもな」
花火を行った後、私は硝子に知っていることを話した。
と言っても、私が知っていることは極わずかで、話のほとんどは私の仮説だった。
そして、埒が明かないということで、翌日の朝早い時間に先生の元へ聞きに行ったのだが、得られたものは何もなかった。
「もう直接聞くしかないっしょ」
「話してくれるとは思わないけど」
「…そーだよねー」
4人の中で1番バカなのは千夏。
アホなのも千夏。
よく笑うのも千夏。
けれど、千夏は誰よりも自分のことを話さない。
あんな性格だから友達は少なくて、悟だけが友達だった。
この情報の他に、千夏の過去を知らない。
無理に詮索する必要も無いし、興味もない。
だから、今まで聞いてこなかったが、聞いておけばよかったと後悔している。
「じゃあ、五条に尋問する?」
「悟に?話すとは思わないけど」
「じゃあ拷問しよう」
「冗談に聞こえないからやめてくれ」
拷問はしないけれど、悟に話を聞くという案には賛成。
悟が口を割らなかったら、直接千夏に聞こうというプランを立てて、私達は悟の部屋に向かった。