第68章 (飛ばしてください)
「もー。仕方ないねぇ。これで美味しいものでも食べてきなさい!!!」
「「神!!!」」「…」
硝子から聞いた話によると、千夏はだいぶやつれているという。
僕のことが理由ではないと言っていたけれど、関わっていないわけがない。
(…?)
生徒にお金を渡して少し薄くなった財布を見て思い出す。
入れていたはずのお守りがない…!!!
千夏に貰ったものなのに…!!!
自販機、コンビニ、車の中。
探せるところは探し回った。
けれど見つからず…。
開き直るしかないなぁ、と歩みを進めていると、運動場のそばにあるスペースに横たわる女性が。
タオルでしっかり枕を作って昼寝をしていた。
体調が悪いから任務を受けていないと聞いていたのに、どうして高専にいるんだか。
硝子の言う通り、やつれてるなぁ…。
ご飯食べてる?
寝られてる?
大丈夫?
心の中で言っても伝わらないことは知っているけれど、声に出しても仕方ないことだってある。
そういえば、昔もここで寝てたなぁ。
今は無いけれど、昔はここにベンチがあって、そこでよく休んでいたことを思い出した。
授業に出ない代わりに任務を沢山こなしていたけれど、その合間にはしっかり体を動かしてトレーニングを欠かさなかった(辛いのはやってなかったけど)
(…いなくならないでね)
この世でいちばん怖いのは千夏が消えること。
もう二度と味わいたくないあの気持ち。
次やったら絶対許さないって決めている。
「はーい、ちゅーもく!これから任務に行くよ〜」
「えーなんでー!」
「美味しいご飯食べたんだから動かないと!」
「くっ…騙された」
それからしばらくして、千夏と話す機会があった。
2人っきりで。