第68章 (飛ばしてください)
新宿に来て、と言っただけなのに、僕が想像していた待ち合わせ場所にしっかり立っている女の人。
帽子にサングラス、日傘を差していた。
「八乙女さんじゃーん!一緒に行くの?」
「多分。このバカ、突然過ぎない?」
「俺らも「1時間後くらいに下来てー」って言われた!ウケるよね!」
「…笑える悠仁、マジで優しいわ………おい、悟!」
茶色のロングスカートに白いブラウス。
襟元がフリフリしてて可愛い〜♡
「なぁに?」
「突然すぎ!」
僕のこと殴れないの知っていながら……知っているからなのか、何度も顔面目掛けて拳を飛ばしてくる。
「でも、ちゃんと間に合ったじゃ〜ん」
「はい?日焼け止めも塗ってないし、メイクもしてないし。ご飯も食べてないんですが?」
「はは!じゃあ早く行こ。お弁当選ばないと」
何笑ってんだこのカス、とでも言われているよう。
千夏が持ってきた大きめのキャリーケースを引きながら乗り場へ移動した。
「ああ、任務なんだ」
「そー。全然スキンケア用品持ってこれてないから貸して」
「いーよー。あ、この前話してたアレ食べに行こうよ」
「え、確かに。あんた天才」
「褒めろ褒めろ」
「俺豚まん絶対食べたい。めちゃウマらしいじゃん」
「あれは美味しいよ。奢ったる」
「え、マジ!?やったー!何個まで?」
「…何個食べるつもりなの。恵は何食べたい?」
「無難に粉物食べたいっす」
「いーねー。多分、悟いいとこ連れてってくれるよ」
あんだけ不満漏らしていたのに、みんな楽しそうじゃんかぁ。
よしよし…。